Paepoi » Fedora Tips » Fedora Tips | MPV をスクリプトで拡張
Fedora Tips | MPV をスクリプトで拡張
# 最終更新日 2024.08.16
-- Kaby Lake 以降及び Fedora 40 に合わせて書き換え
-- 一部変更するプロパティが変わったので書き換え
-- ついでに現在の設定書き出し、ほんのチョッピリ機能追加
MPV はデフォルトで入っていませんが多機能な動画プレイヤーです。
Lua スクリプトで拡張できる範囲がとても多いのでプログラミング趣味な人には最適です。
実際に筆者は動画プレイヤーを自作していましたがコレを知ったので自作するのをヤメました。
しかし Fedora デフォルトで入っている ffmpeg は機能限定版です。
下記は Intel HD graphics の場合です、コレしか手持ちが無いので。
以下を入れて mpv.conf で指定するだけで使えます。
それと下記にある拡張 Lua スクリプトは以下の筆者自作コマンドを利用する。
nautilus_ls という名前で保存しパスの通った場所 (~/bin 等) に入れておく。
上記にすべて書いています、英語ですががんばって解読しましょう。
筆者の例のように OPTIONS を弄くれば楽しく拡張が楽しめます。
これで Fedora でもハードウエアアクセラレーションが利用できる。
gpu-hq はどういうプロファイルなのかは以下のコマンドで見ることができます。
Skylake 以前の環境では H.265 がソフトウエア対応になりまともに再生できない。
大半の人が筆者マシンより高性能でしょうから oversample 指定は一例です。
理想を求めて拡張スクリプトを自作した結果です。
タイトル名が埋め込まれた動画だとファイル名が表示されず困ることありますよね。
layout は box slimbox bottombar topbar があり好きな形を選べます。
~/.config/mpv/scripts/ 以下に置くだけで勝手に適用されます。
ショートカットが重複する場合は最終行を書き換えてお試しください。
一発リサイズはバリエーションを増やしました。
やっぱりディレクトリ内の次ファイルを即再生する機能は欲しいですよね。
同じ手段で現在再生しているファイルからのプレイリストを作成し連続再生。
イベントはこんな感じで捕まえます。
動画の回転。
GNOME なら Ctrl+Q ですべてのウインドウが終了しないとおかしい。
Eye of GNOME のように Esc でスパッと終了させたい。
Home キーでファイルの先頭から再生しなおす機能が何故か無い。
アスペクト比変更機能がデフォルトでは選択肢が少ない。
環境に依存しないので macOS や Windows 版でも使えるはず。
正規表現の関係で Javascript(ECMA Script 5) になっています。
同じ感じになるソート関数を自作すれば使えるかも、ということで貼っておきます。
-- Kaby Lake 以降及び Fedora 40 に合わせて書き換え
-- 一部変更するプロパティが変わったので書き換え
-- ついでに現在の設定書き出し、ほんのチョッピリ機能追加
MPV はデフォルトで入っていませんが多機能な動画プレイヤーです。
Lua スクリプトで拡張できる範囲がとても多いのでプログラミング趣味な人には最適です。
実際に筆者は動画プレイヤーを自作していましたがコレを知ったので自作するのをヤメました。
ffmpeg
MPV は ffmpeg を使います、Linux ではもちろん共有ライブラリです。しかし Fedora デフォルトで入っている ffmpeg は機能限定版です。
sudo dnf install --allowerasing ffmpegでフル版が入り VAAPI によるアクセラレーション等が使えるようになります。
準備
MPV は Fedora でもハードウエアアクセラレーションが使えます。下記は Intel HD graphics の場合です、コレしか手持ちが無いので。
以下を入れて mpv.conf で指定するだけで使えます。
sudo dnf install libva-intel-driver sudo dnf install libva-intel-hybrid-driver sudo dnf install intel-media-driverGPU が NVidia や AMD の人は他の詳しい人を探してください。
それと下記にある拡張 Lua スクリプトは以下の筆者自作コマンドを利用する。
nautilus_ls という名前で保存しパスの通った場所 (~/bin 等) に入れておく。
#!/usr/bin/gjs /** * ディレクトリ内の動画ファイル (ContentType が vodeo/***) を選別する Gjs スクリプト * 拡張子で判別するより正確、かつ MPV はそのすべて再生可能です。 * Nautilus と同じ順番にソートすることが内臓スクリプトでは不可能なので外部コマンドで */ if (ARGV.length == 0) { print('usage: nautilus_ls {DIRNAME}'); } else { const GLib = imports.gi.GLib; const Gio = imports.gi.Gio; const re = /^video\//; let files = []; let d = Gio.file_new_for_path(ARGV[0]); let ls = d.enumerate_children('standard::content-type', 0, null); for (;;) { let info = ls.next_file(null); if (info == null) break; let t = info.get_content_type(); if (re.test(t)) files.push(info.get_name()); } files.sort((s1, s2)=> { let cmpstr1 = GLib.utf8_collate_key_for_filename(s1, -1); let cmpstr2 = GLib.utf8_collate_key_for_filename(s2, -1); if (cmpstr1 < cmpstr2) return -1; return 1; }); print(files.join('\n')); } // ex: ft=js面倒な人用にアーカイブも置いておきます。
公式 SDK
mpv.io上記にすべて書いています、英語ですががんばって解読しましょう。
筆者の例のように OPTIONS を弄くれば楽しく拡張が楽しめます。
mpv.conf
筆者の mpv.conf です、意味は公式かもっと詳しい人の Blog で。これで Fedora でもハードウエアアクセラレーションが利用できる。
# ハードウエア・アクセラレーション vo=gpu hwdec=vaapi # よくフリーズする場合はコレを有効に #framedrop=decoder # 最高画質らしいが Skylake 以前では指定しないほうがいい #profile=gpu-hq # 色々試したけどコレが一番安定かつ滑らか scale=oversample deband=yes # 再生終了で本体を終了しない keep-open=yes # OSD フォントのサイズ決め打ち osd-font-size=28
gpu-hq はどういうプロファイルなのかは以下のコマンドで見ることができます。
Skylake 以前の環境では H.265 がソフトウエア対応になりまともに再生できない。
mpv --show-profile=gpu-hqKaby Lake なら内蔵 GPU でも再生できますが少しカクつきます。
大半の人が筆者マシンより高性能でしょうから oversample 指定は一例です。
input.conf
筆者の input.conf です、とうとうこれだけに減りました。理想を求めて拡張スクリプトを自作した結果です。
# ~/.config/mpv/input.conf # Eye of GNOME に合わせる F11 cycle fullscreen Ctrl+w quit
osc.conf
筆者の osc.conf です、シークバーとタイトルバーのみにしています。タイトル名が埋め込まれた動画だとファイル名が表示されず困ることありますよね。
layout は box slimbox bottombar topbar があり好きな形を選べます。
# ~/.config/mpv/script-opts/osc.conf # 動画に合わせた OSC リサイズ無効 vidscale=no # 薄くする boxalpha=180 # 常にトータル時間 timetotal=yes # タイトルはファイル名 -- タイトル名 title=${filename} -- ${media-title} # シークバーのみに、弄る時に枠外になるのを防げる layout=slimbox seekbarstyle=diamond seekbarhandlesize=0.9 valign=0.95
ショートカット覚書
使いそうなのを覚書、すぐ忘れるので。# シーク 左右キーで 5 秒、Shift 追加で 1 秒 上下キーで 1 分、Shift 追加で 5 秒 # 再生速度 ブラケット「[ と ]」で 10% 追加で再生速度変更 ブレース「{ と }」で上記の倍速で変更、つまり Shift 追加 BackSpace でリセット # ズーム、パン Alt+プラス(マイナス)でズーム Alt+矢印キーでパン Alt+Backspace でリセット # A-B 間ループ ココからココまでを l キーで指定 # プレイリスト関連 F8 で常に表示切り替え Enter, <, > で次(手前)のファイル # その他 1,2 でコントラスト 3,4 でブライトネス 5,6 でガンマ 7,8 で彩度(色の濃さ) 9,0 でボリューム Delete で OSD 常に表示切り替え Shift+L で無限ループ切り替え
スクリプトの例
まとめてアーカイブも置いておきます。~/.config/mpv/scripts/ 以下に置くだけで勝手に適用されます。
ショートカットが重複する場合は最終行を書き換えてお試しください。
一発リサイズはバリエーションを増やしました。
-- ~/.config/mpv/scripts/mpv_fhd.lua -- 指定サイズににリサイズ -- しかし 4K 動画を WQHD ディスプレイ等では最大化で再生開始になる -- その場合に最大化解除させるのが面倒なので自動化するスクリプト -- サイズバリエーションと元に戻す処理を追加しました -- FHD function on_fhd() mp.set_property('autofit', '1920x1080') if mp.get_property_bool('window-maximized') then mp.set_property('window-maximized', 'no') end end -- HD function on_hd() mp.set_property('autofit', '1280x960') if mp.get_property_bool('window-maximized') then mp.set_property('window-maximized', 'no') end end -- VGA function on_vga() mp.set_property('autofit', '540x480') if mp.get_property_bool('window-maximized') then mp.set_property('window-maximized', 'no') end end -- 元に戻す function on_fit() mp.set_property('autofit', '') if mp.get_property_bool('window-maximized') then mp.set_property('window-maximized', 'no') end end mp.add_key_binding('Ctrl+1', 'fhd_func', on_fhd) mp.add_key_binding('Ctrl+2', 'hd_func', on_hd) mp.add_key_binding('Ctrl+3', 'vga_func', on_vga) mp.add_key_binding('Ctrl+4', 'fit_func', on_fit)
やっぱりディレクトリ内の次ファイルを即再生する機能は欲しいですよね。
-- ~/.config/mpv/scripts/mpv_next_prev.lua -- Ctrl+DOWN(UP) でディレクトリ内の次(前)のファイルに切り替えする -- nautilus_ls というオリジナルコマンドが必要 local utils = require 'mp.utils' -- Ctrl+DOWN @ Next File Play function on_nextfile() local hit = false local directory, fn = utils.split_path(mp.get_property('path')) if directory == '.' then directory = utils.getcwd() end local pfile = io.popen('nautilus_ls "'..directory..'"') for filename in pfile:lines() do if hit then mp.commandv('loadfile', utils.join_path(directory, filename)) if mp.get_property_bool('pause') then mp.set_property_bool('pause', false) end break end hit = filename == fn end pfile:close() end mp.add_key_binding('Ctrl+DOWN', 'nextfile_func', on_nextfile) -- Ctrl+UP Previous File Play function on_prevfile() local prevfn = '' local directory, fn = utils.split_path(mp.get_property('path')) if directory == '.' then directory = utils.getcwd() end local pfile = io.popen('nautilus_ls "'..directory..'"') for filename in pfile:lines() do if filename == fn and prevfn ~= '' then mp.commandv('loadfile', utils.join_path(directory, prevfn)) if mp.get_property_bool('pause') then mp.set_property_bool('pause', false) end break end prevfn = filename end pfile:close() end mp.add_key_binding('Ctrl+UP', 'prevfile_func', on_prevfile)
同じ手段で現在再生しているファイルからのプレイリストを作成し連続再生。
-- ~/.config/mpv/scripts/mpv_listup.lua -- Ctrl+l でディレクトリ内をプレイリスト化して連続再生 -- nautilus_ls というオリジナルコマンドが必要 -- リストアップを OSD 表示する機能追加 local utils = require 'mp.utils' function on_listup() local hit = false local lst = '::PlayList::' local directory, fn = utils.split_path(mp.get_property('path')) if directory == '.' then directory = utils.getcwd() end local pfile = io.popen('nautilus_ls "'..directory..'"') for filename in pfile:lines() do if hit then mp.commandv('loadfile', utils.join_path(directory, filename), 'append') lst = lst..'\n'..filename else hit = filename == fn end end pfile:close() mp.osd_message(lst) end mp.add_key_binding('Ctrl+l', 'listup_func', on_listup)
イベントはこんな感じで捕まえます。
-- ~/.config/mpv/scripts/mpv_load_event.lua -- 再生開始時にファイル名を OSD 表示させる例 -- イベントハンドラはこんな感じで捕まえます local utils = require 'mp.utils' function on_loaded() local directory, fn = utils.split_path(mp.get_property('path')) mp.osd_message(fn) end mp.register_event('file-loaded', on_loaded)
動画の回転。
-- ~/.config/mpv/scripts/mpv_rotate.lua -- input.conf に 'Ctrl+r add video-rotate 90' でもいいけど -- 0-359 以内にしないとエラーなのとキーを Eye of GNOME に合わせたかったので function on_rotate_right() local angle = mp.get_property_number('options/video-rotate') local num = angle + 90 if num > 270 then num = 0 end mp.osd_message('angle:'..tostring(num)..'°') mp.set_property_number('options/video-rotate', num) end function on_rotate_left() local angle = mp.get_property_number('options/video-rotate') local num = angle - 90 if num < 0 then num = 270 end mp.osd_message('angle:'..tostring(num)..'°') mp.set_property_number('options/video-rotate', num) end mp.add_key_binding('Ctrl+r', 'rotate_right', on_rotate_right) mp.add_key_binding('Ctrl+Shift+r', 'rotate_left', on_rotate_left)
GNOME なら Ctrl+Q ですべてのウインドウが終了しないとおかしい。
-- ~/.config/mpv/scripts/mpv_ctrl_q.lua -- Ctrl+q ですべての mpv を終了させる -- killall コマンドで強制終了 function on_close_all() os.execute('killall mpv') end mp.add_key_binding('Ctrl+q', 'close_all_func', on_close_all)
Eye of GNOME のように Esc でスパッと終了させたい。
-- ~/.config/mpv/scripts/mpv_esc.lua -- Esc 時にフルスクリーンなら解除、そうでなければ終了 -- ようするに Eye of GNOME と同じ動作 function on_escape() if mp.get_property_bool('fullscreen') then mp.set_property('fullscreen', 'no') else mp.command('quit') end end mp.add_key_binding('Esc', 'esc_func', on_escape)
Home キーでファイルの先頭から再生しなおす機能が何故か無い。
-- ~/.config/mpv/scripts/mpv_go_home.lua -- Home キーで先頭に巻き戻して再生する -- 最後まで再生しポーズ状態になっていても即再生できるように function on_go_home() mp.set_property_number('time-pos', 0) if mp.get_property_bool('pause') then mp.set_property_bool('pause', false) end end mp.add_key_binding('Home', 'go_home_func', on_go_home)
アスペクト比変更機能がデフォルトでは選択肢が少ない。
-- ~/.config/mpv/scripts/mpv_aspect_rate.lua -- Shift+a でアスペクト比は変更できますけど -- スマホの縦動画用が足りないので独自に作成 -- 変更するプロパティが変わっています、環境によってはコメントアウト側に変更 -- Ctrl+2 指定だったけどリサイズに割り当てたので Ctrl+t の変更 -- ついでに Shift 追加で逆順変更を追加 local aspect_num = 0 local aspects = {'4:3', '16:9', '9:16', '3:4', '1:1', '3:2', '2:3'} function on_change_aspectrate() aspect_num = aspect_num + 1 if aspect_num > #aspects then aspect_num = 0 --mp.set_property('video-aspect', '-1') -- old property mp.set_property('video-aspect-override', '-1') mp.osd_message('Aspect Rate @ Default') else --mp.set_property('video-aspect', aspects[aspect_num]) mp.set_property('video-aspect-override', aspects[aspect_num]) mp.osd_message('Aspect Rate @ '..aspects[aspect_num]) end end function on_change_aspectrate_r() aspect_num = aspect_num - 1 if aspect_num == -1 then aspect_num = #aspects end if aspect_num == 0 then mp.set_property('video-aspect-override', '-1') mp.osd_message('Aspect Rate @ Default') else mp.set_property('video-aspect-override', aspects[aspect_num]) mp.osd_message('Aspect Rate @ '..aspects[aspect_num]) end end mp.add_key_binding('Ctrl+t', 'aspectrate_func', on_change_aspectrate) mp.add_key_binding('Ctrl+Shift+t', 'aspectrate_r_func', on_change_aspectrate_r)
おまけ
上記 nautilus_ls を作る以前に使っていた次のファイルを再生スクリプト。環境に依存しないので macOS や Windows 版でも使えるはず。
正規表現の関係で Javascript(ECMA Script 5) になっています。
// ~/.config/mpv/scripts/next_prev.js // 抜き出す拡張子は下記正規表現に追記してください var re = /\.(mov|m4v|mp4)$/i; // Ctrl+DOWN でディレクトリ内の次ファイルを再生 function on_nextfile() { var dir = mp.utils.split_path(mp.get_property('path')); // カレントディレクトリだとドットになるので if (dir[0] == '.') dir[0] = mp.utils.getcwd(); // ls var ls = mp.utils.readdir(dir[0], 'files'); ls.sort(); if (mp.last_error() == '') { var len = ls.length; var ex = false; for (var i=0; i<len; i++) { var f = ls[i]; if (re.test(f)) { if (ex) { mp.commandv('loadfile', mp.utils.join_path(dir[0], f)); if (mp.get_property_bool('pause')) mp.set_property_bool('pause', false); break; } } ex = f == dir[1]; } } } mp.add_key_binding('Ctrl+DOWN', 'next_func', on_nextfile); // Ctrl+UP でディレクトリ内の手前ファイルを再生 function on_prevfile() { var prevfn = ''; var dir = mp.utils.split_path(mp.get_property('path')); if (dir[0] == '.') dir[0] = mp.utils.getcwd(); var ls = mp.utils.readdir(dir[0], 'files'); ls.sort(); if (mp.last_error() == '') { var len = ls.length; var ex = false; for (var i=0; i<len; i++) { var f = ls[i]; if (re.test(f)) { if (dir[1] == f) { if (prevfn != '') { mmp.commandv('loadfile', mp.utils.join_path(dir[0], prevfn)); if (mp.get_property_bool('pause')) mp.set_property_bool('pause', false); break; } } prevfn = f; } } } } mp.add_key_binding('Ctrl+UP', 'prevfile_func', on_prevfile)ただ Finder や Explorer と名前順の順番が同じにはならないと思う。
同じ感じになるソート関数を自作すれば使えるかも、ということで貼っておきます。
Copyright(C) sasakima-nao All rights reserved 2002 --- 2024.